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グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ

Memo

毎年もらう花粉症の薬が今年は全然効きません。
どうもこんにちは。( ꒪⌓꒪)

『グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ』
(デイヴィッド・ミーアマン・スコット (著), ブライアン・ハリガン (著),
糸井重里 (監修), 渡辺由佳里 (翻訳))日経BP社

もう4年ほど前に出版された本なのでご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、先日行った「祖父江慎+コズフィッシュ展:ブックデザイ」で展示されていて、内容が気になったので買って読んでみました。

なぜ気になったかというと、「グレイトフルデッド」と「マーケティング」という文字が全くもって結びつかなったからです。イメージ的に相反するというか。

サイケ~ヒッピーカルチャーの代表みたいなバンドなので、平和主義、自然、自由、仲間、解放、ドラッグ… みたいなイメージ。… ね、マーケティングと全く結びつかないでしょ?

しかも帯には「ビートルズよりストーンズより儲けてしまったバンドの秘密」とあります。

グレイトフルデッドは日本ではあまり馴染みがないですが、アメリカではめちゃくちゃ人気のあるバンドです。ライブの動員数も桁違い。

1965年に結成されて、熱狂的なファンを増やし続けました。
ちなみにファンは「デッドヘッズ」と呼ばれています。

私も昔、CDを何枚か聴いたんですが、たしかにかっこいいけど正直いうとなんでそこまで熱狂的な人気があるんだろう?と思っていました。

おそらくですけど、グレイトフルデッドの最大の魅力は、ライブに行って、その場で繰り広げられる その時その場所でしか味わえない即興的なパフォーマンスを「体験」して初めて分かるんじゃないかな…?と思います。

さて本書に戻りますが、そんなグレイトフルデッドが行っていた音楽活動をピックアップし現代のビジネスに活かしていこうという内容です。

例えば、
通常ツアーであればレコードを売るために毎回同じセットリストで演奏するのが当たり前だった時代に、毎回違うセットリストと毎回違うアレンジで演奏するため、ファンはすべてのライブを見に行きたくなる。
で、普通であれば禁止されているライブの自由な録音を許可し(良い音で録音できる専用スペースまで設けられた)、ファン同士がそれを交換して広めるため、もっともっとライブを見に行きたくなる。
で、ライブ録音のテープを聴いていたら、綺麗な音で収録された正規盤が欲しくなり、結果としてレコードが売れる。
ライブのチケットも販売店を通さずに自分たちでお客さんに直接販売するので、よく来てくれるファンには優先的に良い席を提供できリピーターに満足感を与えられる… などなど。 

さらに熱狂的なファンは、ツアーと一緒に移動しながらライブ会場の外で食べ物やグッズを売り、またファン同士のコミュニティも盛んだったと言います。

これ、何かに似てるなーと思ったんですが、「フェス」に似てますね。
美味しい食べ物があって、お酒があって、同じバンドを好きな仲間がいて、そこでしか買えないグッズがあって、その時その場所でしか味わえない音楽・空気があって… てまさに現代のフェス。そう思うと確かに行ってみたくなりますね。

ポイントとしては、ファンのことを第一に考え、ファンにとって心地よいと思うことを追求していたら、結果的にそれが素晴らしいマーケティングだった、ということ。

自分たちに不利になるんじゃないかと怖がって、何もかもガチガチに禁止するのではなく、ある程度自由にしてみたら、自分も 応援してくれるファンにとっても良いことが何倍にも膨れ上がってたという好例。

… あれ?
本を読む前に感じていたバンドのイメージ、平和主義、自然、自由、仲間、解放 … (ドラッグはおいといて)と見事につながったではないですか。

ということで、興味のある方はぜひ読んでみてください。
とっても面白かったです。

Memo
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